
講評
なんとまあ突飛な発想!俳人の想像力は、丸みを帯びた檸檬がむくむくと巨大化して象に変身するなんて夢想を楽しみます。AIという科学の目線は、檸檬に電極を刺す懐かしの「檸檬発電程度の電流で巨大な生成が可能なほど技術が進歩した未来」を思い描くのかもしれません。空想からキュッと引き締まった酸味で現実へと引き戻してくれる「檸檬」の力強い明るさが印象的でした。
家藤正人
講評
高性能なAIを稼働させるとサーバーは莫大な熱を発します。「水を飲む」とはその熱を冷却するために水を消費すること。未来、さらに高機能化したAIのために人は自らの分の水すら差し出すのでしょうか。夏の夜空に灯る「旱星」はまるで不安の象徴のようで。
家藤正人
講評
春風がやわらかに吹いています。「迷子」は子供か、それとも介護の必要な方か。靴にAIを組み込めるほど技術が発達すれば、履いている足を家へと導いてくれる靴だって生まれてくるかもしれません。春の景色の中、足は春風と共に軽やかに家へと歩みます。
家藤正人
講評
まるでSF映画の世界。子供をのぞむある家族の要望は、理系の子供。アバターを購入し好みに近づけるように、子供の外見や能力、性格のために遺伝子操作課金をする未来が訪れるのでしょうか。「自由と平和を愛し文化をすすめる日」である「文化の日」が皮肉。
家藤正人
講評
「箱庭」は夏の季語。浅い箱に土を盛り、石木、人形などを置いて山水の風景を模す風雅な遊びです。正しく季語の姿を描くと同時に、AIにより人が出歩かずにすむ未来図でもあるという、両者の調和が魅力。人がいないさみしさと美しさが静かに同居しています。
家藤正人
講評
生成AIが進化した暁には、よりリアルな結婚生活を仮想体験できる日もくるでしょう。快適なシミュレーションを終え、現実へと戻れば、途端に蝉の声が鋭くリアルな音として全身へと降り注ぎます。舞台転換の「出れば」が生身の季語を際立たせて効果的。
家藤正人



入賞された皆様おめでとうございます!
賞品は11月下旬以降順次発送させていただきます